RMS01:ロマンチカ・クロニカ 1

RMS01:ロマンチカ・クロニカ 1

2009〜2017年の東方小説総集編。

  • 頒布:2017/12/29 コミックマーケット93
  • 装丁:B6サイズ/232ページ
  • イベント会場価格:1500円
  • 書店委託:

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彼女たちの今までの軌跡。
そして、これからの行く先。

ロマンチックメロウによる、2009〜2017年の東方Project小説総集編。
幻想郷に住まう少女たちを中心に、霊夢・魔理沙・早苗を巡る話を収録。
レイマリ・ゆかれいむの2つの掌編を追加で書き下ろし。


「巡る赤の世界」(書き下ろし/レイマリ)

静かな時間をかき乱して、霊夢の感情にさざなみを起こす存在。
普通の魔法使い。霧雨魔理沙。
日々やってきたかと思うと、突然ぱったり来なくなる。
最初はそんな彼女のペースに自身を乱されることはなかったが、長い付き合いを経て妙に心揺れることが増えた。
その感情がどこから来るのか、霊夢自身ももちろん理解している。ああ、本当に面倒だ。
とはいえ一ヶ月の空白ののちに、いつものように訪れる友人というものは貴重なのかもしれない。
でも、困ったものだ。
心が今日も揺れてしまう。


「ちるさくら のこるさくらも ちるさくら」(ゆかゆゆ)

我侭は自分も同じだ。
自分が欲しいものは一体何なんだ?
紫は自問自答する。
昔が帰ってこない今、自分は何を望んでいる?
今、幽々子のためを思って自分が伝えたことを、彼女の従者や自分の式がやっている。でも、それは結局自分のためだ。
富士見の娘と八雲紫。
二人の春は、ずっと前に終わっている。今は、どれだけ願っても戻らない春を気の遠くなるほど繰り返しているに過ぎない。
だから、もうそこから抜け出せなくてはならない。
囚われている自分も、このまま西行妖を求め続けようとする幽々子も。


「ながれぼしのわすれもの」(守矢一家)

私は耳を澄ます。
一言だって聞き逃さず、すぐ走り出せるように。
今度は迷わず二人の元に向かい、助けられるようにしないといけない。
常識を抜け出した巫女は、前より強くなり出来ないことが出来るようになった。
幻想郷のおかげで、私は戦えるようになった。


「君を砕く最果ての星」(レイマリ)

人間が本来の姿を逸脱し、妖に転ずることは幻想郷を乱すことなのだと霊夢は考えている。
だから、もしも目の前の少女が人間をやめ、種族としての魔法使い、すなわち妖怪となるならば、霊夢にはしなくてはならないことがある。幻想郷の巫女としては世界を乱す者を、そのままにしておくわけにはいかないのだ。
止めるか殺めるか。あるいは何かしらの方法で。
彼女を――……。


「幻想と君のしあわせごはん」(幻想郷パート)

これ以上ここにいると、だらだらと喋ってしまいそうだ。
心地の良い時間も悪くはないが、私もそろそろ腹が減ってきた。
ここで腹の虫を鳴かせたら、きっと霊夢に反撃を受けてしまう。
「じゃあ、霊夢が化けて出てこないように、精々うまい飯を作ってやるか」
「まあ。あんたが作ってくれるの?」
「たまにはな」


「辿る紫の世界」(書き下ろし/ゆかれいむ)

思えば、色々な話をした。
桜の季節に訪れた、亡霊の話。
幻想郷に訪れた、迷い子の神様の話。
魔法使いになりかけた、少女の話。
そんな日々の中の、幸せな食事の話。
まだまだ語りきれない話などいくらでもある。
しかし、時は有限だ。酒を交わし夜通し話したって構わなかったが、今日は茶話に耽りたかったのだ。
「あんたも、そう思うでしょう」
霊夢は、虚空に呼びかける。